グラフィックボード(GPU)の性能と選び方① ~PS4とPS5との比較~
前回はパソコンを構成する7つのパーツを紹介しました。今回からは具体的なパーツの選び方を紹介していこうと思います。
前回お話ししたように、ゲームをするのであれば7つのパーツの内、一番重要なのが映像を処理するグラフィックボード(GPU)です。
まずはGPUのメーカーや種類、実際にどのGPUがどのくらいのフレームレート(fps)を出せるのかを紹介していきます。
GPUのチップメーカーとモデル名
現在市販されているGPUのチップメーカーはNvidiaとAMDの2社です。各社の主な製品と価格(価格.comの最安値)を表にまとめました。AMDの製品は、NVIDIAの製品と性能が同等なものを同じ行に表示しています。左端のBTOはドスパラというBTOショップでオーダー可能なGPUに◯をつけています。
現在のゲーミングPC市場は、NVIDIAのほぼ独占状態です。BTOでオーダーできるのもNVIDIAがメインになります。
BTOとは、「Build To Order」の頭文字をとった略称で、受注生産を意味します。市販の完成品パソコンと比べて、CPUやグラフィックボード、メモリ、ハードディスクやSSDなどを好みに合わせてカスタマイズし、組み立ててもらった状態で購入できます。
この表は上から性能が高い順に並んでいるのですが、GPUについて全く知識がない人にとっては、この製品名が暗号のように感じるかもしれません(笑)
しかし安心して下さい。現時点ではこのような製品があるということだけを、なんとなくなく理解していただければ十分です。
最上位のRTX2080tiはGPU単体で13万以上という、かなりぶっ飛んだ価格に驚いた方もいると思いますが、GPU単体の価格でパソコンを購入できてしまうような高額な商品であるRTX2080tiの性能はどの程度だと思いますか?
どんなゲームでも4Kモニター高画質設定のフレームレート120fps以上でプレイすることは可能なのでしょうか?
答えはNoです。高画質設定だとゲームによっては60fpsすら不可能です。例えばモンスターハンターワールドは、4K(3840×2160)の高画質設定で43.4fpsしか出ません。
参照元:NVIDIA GeForce RTX 2080 Super Founders Edition Review | TechPowerUp
この記事が示す通り、現在市販されているGPUでは、最上位モデルですら4K最高画質で60fpsは難しいという状況です。もちろん画質を下げれば可能ですが、せっかく最上位モデルを買ったのに、画質を落としてプレーしなけらばならないというのはどうしても不満が残りますよね。これに関しては、今年中に発売予定の新しい世代のGPUに期待したいところです。
ちなみに、PS4と今年発売されるPS5の性能をこれらのGPUと比較するとこうなります(上から性能の高い順)
PS4が発売されてから数年経っており、性能は古い世代のGPU相当なのでこの位置は仕方ありませんが、PS5の性能がヤバイ(語彙力)
こうなると、PS5の本体価格がいくらになるか大変気になるところです。
さて、また前置きが長くなりましたが、ここからは実際にどのGPUを選べばいいのかを解説していきます。まずは例として、プレーしたいゲームをいくつか選びます。
プレーしたいゲーム
- フォートナイト(Epic Games)
- Apex Legends(Origin)
- モンスターハンターワールド(Steam)
- バイオハザードRe:2(Steam)
- レッド・デッド・リデンプション2(Steam)
- ファイナルファンタジー14
人気がある代表的なゲームを選びました。
これらのゲームをプレイするには、どれくらいのスペックが必要なのでしょうか?
スペックの確認方法
PCでゲームをする場合、ゲーム配信サービスを行っているプラットフォームを通してプレイするのが一般的です。代表的なものに”Steam”、”Epic Games”、”Origin”などがあり、これらのサイトには、ゲームごとに必要スペックが記載された箇所があるので、そこを確認するのが一番簡単です。
では実際に必要スペックを確認していきましょう!
フォートナイト
参照元:Fortnite - フォートナイトシーズン2 - トップシークレット
GPUの必要ペックを見ると、最低スペックの方が”Intel HD 4000”となっています。
先程、GPUはNvidiaとAMDの2社と言ったのに、インテルとはどういうこと?と思うかもしれません。この”Intel HD 4000”というのは、インテルのCPUに内蔵されたグラフィック機能のことです。つまり、フォートナイトはグラフィックボードを搭載しなくても、低画質の設定であればCPU内臓のグラフィック機能を使ってプレイ可能ということになります。
次に推奨スペックは、”Nvidia GTX 660”となっていますね。(AMDも記載がありますが今回はNvidiaを参考にします)このGTX660は一体どれくらいの性能なのでしょうか?
参照元:GPUベンチマークと性能比較【2020年最新版】 | BTOパソコンミニ館
このベンチマークというのは、性能を測るテストのようなもので、単純に数値が高いほど性能も高いということになります。参考ページにはたくさんのGPUが表示されていると思いますが、数字が大きくなるほど世代が新しくなります。
3000番台※今年発売予定
2000番台
1000番台
900番台
800番台
700番台
600番台
GTX660はかなり前の世代ということになり、最新GPUの中で一番安いモデルであるGTX1650の半分以下の性能です。
Apex Legends
モンスターハンターワールド
参照元:MONSTER HUNTER: WORLD on Steam
バイオハザードRe:2
参照元:Red Dead Redemption 2 on Steam
推奨スペックまとめ
- フォートナイト_GTX660
- Apex Legends_GTX970
- モンスターハンターワールド_GTX1060
- バイオハザードRe:2_GTX1060
- レッド・デッド・リデンプション2_GTX1060
- ファイナルファンタジー14_GTX970
つまり、これらのゲームすべての推奨スペックを満たすには、GTX1060以上が必要ということがわかると思います。
今回は一旦ここまでにして、次回はさらに掘り下げて解説していきます。